中国翻訳業界が抱える問題

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中国の業界団体である「中国翻訳協会(TAC: Translation Association of China)」の常務副秘書長、姜永剛氏は、中国翻訳業界が抱える問題を次のように指摘している。
(『通訳・翻訳ジャーナル』2008年夏号より)

  • 通訳・翻訳に携わる人材および企業の質、評価、料金体系に関する明確な基準がない
  • 処理基準が翻訳会社によってまちまちであり、訳文の質については何の保証もない
  • 優秀な人材の不足、レベルのばらつきが大きい

これらの問題は、多かれ少なかれ日本でも存在しているが、中国では恐らく根の深い問題なのだと思う。姜氏によれば、現在の中国で「外国語が分かれ ば、優秀な通訳・翻訳者であるという、誤った概念がまかり通っていて、外国語を操る能力と通訳・翻訳の技術は別物だということが理解されていない」と言 う。「レベルの高い訳文も存在するが、低いものはとことん低い」というのが実態のようである。

翻訳という仕事は"人"がすべてである。翻訳する人、チェックする人、そしてマネージメントする人みなが高いレベルの仕事をして、初めてお客様が満足できる翻訳物が完成する。中でも"翻訳する人"の能力が非常に大きなウェイトを占めている。

翻訳に携わる人々の能力向上と品質に対する意識変革には、一定水準の教育を広く実施することと、さらに能力レベルを公に認定する制度が必要であり、中国ではすでに以下の諸策が実施されているとのこと。

北 京大学、北京外国語大学、南開大学、復旦大学、同済大学、上海交通大学、上海外国語大学、南京大学、中山大学、広東外語外資大学など十数の大学に、通訳・ 翻訳専門の修士課程、Master of Translation and Interpreting(MTT)が2007年から設置されている。

「全国翻訳通訳専門資格試験(全国翻訳専業資格考試、CATTI)」2003年12月からスタート(英語)、日本語は2004年から。2007年5 月の試験では、受験者数が1万人を超えた。現在英語、日本語の他、ロシア語、フランス語、スペイン語、アラビア語、ドイツ語の計7カ国語。

問題を本質的に改善するには、まだ多くの年月がかかる思うが、国家レベルでこうした取り組みを続けていけば、着実にレベルアップが図られことは間違いないだろう。そう遠くない将来、日本の翻訳業界の品質水準を超える日がやってくるかもしれない。


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